当初は全面原状回復で退去の予定が部分的(一部分)居抜きで退去
各オフィスや子会社などの拠点を統合し拡大移転することになり、現在構えているオフィスの退去届を出した。すると原状回復をしなければならず、その見積書が5,285万円と税込みだと坪当たり20万円程になっていた。
社内ではどうにも判断できず、原状回復・B工事コンサル会社に相談した。

概要
物件名 | 東京都新宿区 新宿某ビル |
賃借人(クライアント) | A株式会社 |
賃貸人 | B社 |
PM管理会社 | C社 |
用途 | 5階オフィス(事務所) |
面積 | 293.64坪 |
居抜きで退去、部分居抜きで退去
相談先の原状回復・B工事コンサル会社によると、高額すぎるので交渉した方が良いとのことだったのでビル側に協議をしていたところ、この区画を借りたいという次期テナントが現れてオフィス内を内見調査。
コンサル会社と共にどの部分を残し、どの部分を撤去原状回復するかを提案し「このパーテイションとこの内装は使いたい、このパーテイションはいらない」と部分的にはそのまま使いたいということで、一部居抜き・部分居抜きということになり、部分原状回復をすることになった。
居抜き
専門用語では「原状回復義務承継」といい、賃借人の造作物や賃借人資産を次期テナントに譲渡又は無償譲渡し、その次期テナントは前テナントが入居した時の原状回復義務を負うことです。
部分居抜き(半居抜き)
「一部原状回義務承継」といい、賃借人の造作物や賃借人資産を次期テナントに一部分を譲渡又は一部分を無償譲渡し、その次期テナントは前テナントが入居した時の原状回復義務を負うことです。
ところが、部分原状回復の各工事費用が高額に・・
(全て総額表示)
指定業者見積金額 | 坪単価 | |
初回見積(指定業者) | 57,078,000円 | 194,380円 |
居抜き見積 | 24,300,000円 | 82,754円 |
合意金額 | 19,440,000円 | 66,203円 |
初回との差額 ▲65.9% | ▲37,638,000円 |
問題点の抽出
ビル側より提出された見積について、各工事会社の工事費用が高額であった。
特に、電気・空調換気・衛生スプリンクラーなどがどこの建物でも高額であり、施工要員(人工)の余剰計上や過剰な仮設などにより高額化していた。
部分居抜きであってもやはり原状回復をする部分があり、その部分がB工事ということもあってまだまだ高額であった。
法律事務所起用・弁護士に依頼
ビル側(賃貸人側)管理会社と通じて協議したが、金額は下げないとのことなので弁護士に依頼することになった。
スーパーグレードビルではあるが、同等の比較対象の他のビルの積算単価を掲げての交渉を数度と繰り返す。ビル側は8人ほど登場し1つの物件にこれほどの人数で調整するということは、経費が掛かり時間もかかる。だからこれも高額になる要素などである。
今回のビル側の居抜き見積書と、近隣芒種(同種同類)の見積書を比較対象し提示したところ、ビル側(賃貸人側)は単価や見積もりの余剰を認め、1,944万円での合意となった。
結果
法律事務所が前面に立ち、原状回復・B工事コンサル会社である株式会社スリーエー・コーポレーションが査定・単価比較などを助言者として提供し協議にあたったことが相手方に的確な説明をしたことが、居抜き減額協議の成果を生んだ。
お客様の声 ~A株式会社 役員様~
式会社スリーエー・コーポレーションは、一般社団法人RCAA協会(原状回復・B工事アドバイザリー協会)の会員であり、入居B工事、退去原状回復B工事のプロフェッショナルであり、弊社の子会社など多くの移転コンサルを依頼しています。
今回は難易度の高い協議となりましたが、的確な査定と助言により金額を抑えることができました。