
概要
物件名称 | 川崎駅前タワーリパーク2階 97.74㎡/29.56坪 |
賃貸人 | 大手S不動産 |
賃借人 | IB店 担当責任者:専務取締役 SK |
用途 | 美容室 |
明け渡し日 | 2019年3月31日 |
解約予告日 | 2018年6月30日(6ヶ月前予告) |
査定書提出日 | 2018年9月19日 |
アドバイザリー契約締結日 | 2018年10月15日 |
※ 敬称略
賃貸人は、オフィスビル230棟以上所有する日本を代表するデベロッパーである。
賃借人は、美容室を26店舗。川崎周辺に展開する地域密着の優良企業である。
実績
指定業者見積 | 8,500,000円 |
合意金額 | 5,400,000円 |
削減金額 | 3,100,000円 |
削減率 | 36.5% |
(税別)
経緯と賃借人の所見

東京オリンピック決定以降、更新ごとに賃貸人PMより賃料を20%増額され、対応に苦悩しており、平成11年の安いときに美容室をオープンしました。
数回の更新を行い、家賃の増額は妥協できない金額となり、経営判断で閉店を決定しました。賃貸借契約書では、明渡しは9か月前予告。原状回復工事は、賃貸人もしくは賃貸人の指定する業者以外は施工不可の契約書です。
指定業者の見積りは、8,500,000円(税別)あまりにも高い金額に驚き、人脈を活用したり、HPで調べた結果、2社に絞り込みました。
面談結果、原状回復費適正査定のパイオニアであり、査定実績が3,000件以上あるRCAA協会会員のスリーエー・コーポレーション(3AC) 萩原大巳氏にお願いすることに決定し業務委託することにしました。
もちろん守秘義務契約書を提示いただき、事前に8,500,000円(税別)がいくらまで値引き可能かの査定書(目論見書)を提出していただきました。
査定書は、8,500,000円(税別)が5,500,000~6,000,000円でしたが、結果5,400,000円の費用で済みました。心より感謝しております。
協議のポイント
- 全てB工事という工事区分の見直し
- 原状回復範囲の確定
- 回復方法の確定
- 積算数量の確定
- 仮設工事の詳細
- 近隣芒種の指定業者とのコスト比較
1の高額になる最大の問題は、S不動産はビルマネージメントによるビル運営のルールにより重層請負構造のため、一般業者よりもコストが極めて高くなってしまうということです。全てB工事というスケルトン原状回復をクライアントに所有権のある資産はクライアント推薦業者でスケルトン工事をできるように資産区分「工事区分」を作成し、B工事指定を外すことで合意を得たことで削減額が大きくなりました。
駅前立地のハイグレードビルの施工条件の厳しさという問題点もありました。
コンサル業者決定のポイント
コンプライアンス
原状回復は借地借家法で記されている事項であり、建築設備は建築基準法、ビル管理法が絡みます。また賃貸人、賃借人の主張が折り合わずトラブルになるケースがあります。
- 宅地建物取引士、建築士、設備士の有資格者が在籍していること。
- 弁護士法第72条(非弁行為)の対応が万全であること。弁護士がサポートしていること。
- 守秘義務を回避できること。(賃貸借契約書は、守秘義務)弁護士、公認会計士がサポートしていること。
実績
インターネットは、過大に書かれていることがよく見受けられます。賃貸人との過去3年間の実績を提出してもらうことです。
査定書(目論見書)に費用まで削減できるのか?
コンサルタントと面談の際、質問した結果、宅建、建築、設備、法務において深い知識があり、自信があるのかどうか確認します。
お客様の声
弊社は26店舗の美容室を経営しており、建築、設備の知識のあるスタッフは在籍しております。協会会員3ACがプロとしての力量を推測できました。
下記1~6のエビデンス図書、工事区分、仕上表、工程表を作成していただき、原状回復の内容を可視化して、RCAA協会会員の3ACの萩原氏、城ノ下氏に大手S不動産と協議した結果、5,400,000円(税別)で円満合意です。
- 全てB工事という工事区分の見直し
- 回復方法の確定「特別損耗の修繕方法」
- 原状回復対策範囲の確定
- 積算数量「廃棄㎥の計算」
- 仮設準備工事の詳細「ビル運営のルールによる」養生、搬出搬入、制約条件
- 近隣芒種の指定業者とのコスト比較
指定業者の見積項目を認め、知り合いの建築業者に値入してもらい、協議するのは愚策であることが今回よくわかりました。
大手S不動産はそのあたりを想定した上で見積りを作成しているわけですから、今後は更新条件から協会会員の3ACに相談する意向です。本当に良い仕事をしていただき、ありがとうございます。
IB店 専務取締役 SK氏