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オフィス・店舗のB工事

スケルトン原状回復、そして収去権とは?

建物のスケルトンとは、建物構造物である骨組みまで現したものです。

とはいっても、原状回復で「スケルトンまで戻す」と言ってもスケルトンの解釈や、建物本体の状態など、様々違ってきます。

したがって、オフィスや店舗でのスケルトンとは「どこまでスケルトンにするか」によって内容が大きく違い、工事金額も違ってきます。

床では、厨房機器・設備撤去・防水処理・軽量コンクリート撤去、天井は、ボード・ボード下地・空調換気設備・排気設備・防災設備・照明など、詳しく原状回復特約、または工事区分表などに記載されている場合もあります。

しかし、そのような書面がなく「スケルトン」と書かれていた場合には注意が必要です。

まずは、入居したときに、退去することを考えてデザインや設計施工を行い、その退去する時の原状回復はどのようになっているかを確認することが必要です。

上記の写真は、飲食店舗のスケルトン工事後です。

見ても分かるように、ビルの設備である排煙ダクト・防災設備・スプリンクラー・給排水の突き出しなど様々なものが見えます。

これは元々設置してあった設備で、テナントが撤去するものではありません。

天井も、ボードとボード下地(LGS)・全ねじ吊りボルトまで撤去しましたが、下記の写真のように吊りボルトと親バー(Cチャンネル)は残す場合もあります。

ハーフスケルトン

このように一概にスケルトンと言っても、入居したときの取り決め(賃貸借契約)や退去する時の明け渡し条件により異なってくることがありますので、専門家に聞いてみることが重要です。

また、入居したときに賃借人であるテナントが自らが持ち込んだ資産は自らが収去するという「収去権」「収去義務」という言葉があります。

(民法第616条・第598条関係)

これは民法でも条文があり、自ら設置したものを自らが撤去(収去)するということですが、例えばその設備を壁に穴をあけて設置した場合は、原状回復義務として、その壁の穴を修復しなければならないこともありますので注意してください。

収去とは、通常解体撤去をすることと解釈してよろしいでしょう。

堀田

今回は原状回復のスケルトンと収去のことを簡単に解説しましたが、何度も言うようですが一概に「スケルトン」の言葉で済ませてしまうことは非常に危険です。

解釈に違いもあるので、書面などにして、できれば工事区分表のようなもので取り決めすることをお勧めします。

スリーエー・コーポレーションは入居時や退去時に、ビルオーナー側との工事区分や原状回復要綱を作成し、賃貸借契約、または解約明け渡し条件として合意締結することも行っています。

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堀田猛

堀田 猛

(一社)RCAA協会会員
(株)スリーエーコーポレーション 執行役員

・原状回復費・B工事適正査定員
・宅地建物取引士

【店舗展開の内側も外側も商業施設のエキスパート】
商業施設の企画・誘致・設計・施工に数多く携わり、資産区分(工事区分)の策定のエキスパート。 現在は、原状回復・B工事適正査定員としてコンサルチームの統括リーダーを勤める。業界でのサイバーエージェントグループの原状回復・B工事査定実績は知る人ぞ知る実績である。

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